※※ 白鳥物知り手帳 ※※
毎年、冬になると長野県には多くの白鳥が飛来します。
白鳥は、その清楚で美しい容姿から「白い舞姫」とも呼ばれ、その仕草は愛嬌もあり、時には滑稽さも感じられ親しみが持てます。
長野県に来る白鳥はコハクチョウが殆どで、北極に近い東シベリアから11月下旬に飛来し、暖かくなる3月末頃には再びシベリアへ向けて帰って行きます。その距離は4000kmと言われ、カムチャッカ・北海道・東北の日本海側沿いを一ヶ月近くかけ辿り着きます。
通常の飛行スピードは時速6〜70kmで、追い風や上空の気流に乗ると時速100kmにも達するそうです。 白鳥の家族は、両親を入れて4〜6羽くらいで、全体に灰色の白鳥はその年に生まれた幼鳥です。
飛ぶときには、普通、最初が父親で中間に子供、最後が母親の順番が多いようです。 白鳥が何千キロも飛べるのは、その身体の構造にあり、空気抵抗の少ない流線的な体と翼がとても大きい事です。翼を動かす胸筋も発達していて大変軽くて丈夫な骨組みになっています。 また、食べ物を素早く消化し能率的に排泄する仕組みもあり体が軽いのが特徴です。
水に浮くことができるのは、尾の部分に脂肪を出す油脂線があり、そこから出る脂肪を羽に塗って防水しています。 また、羽毛と羽毛の間に空気をためて浮き袋のようにしています。白鳥がいつも毛ずくろいしているのは、お洒落のためではなく、水に浮くための大切な仕事なのです。
仲睦まじい夫婦を、良くオシドリ夫婦と言いますが、オシドリはカモの仲間の例にたがわず毎年相手を替えますが、白鳥は死ぬまで連れ添うと言われ、仲良き夫婦の鏡は実は白鳥なのです。
白鳥たちは飛立つ時、仲間で連絡を取りあい、群れのリーダーが首を振って泣き声で合図を出し、その間隔が狭くなると飛び出していきます。連絡を取っている時は、みんなが集まって首を伸ばし、ウンウンと頷くような仕草をします。
飛び出す方向は風がある時は風上に、風が無く急ぎの時は目的地方向へ飛び出しますが、風の無い時は、出るまで気長に待っていることも多いようです。 また、着水する時も風上に向かってブレーキをかけながら着水します。 白鳥の遊ぶ場所が分らなくなったら、上空に飛ぶ鳶を目標に探しましょう。
 
※※ 諏訪湖の白鳥 ※※
諏訪湖の白鳥は、岡谷市と下諏訪町の境を流れる横河川河口付近と、湖に注ぐ上川周辺の2箇所あります。
ここでは朝夕2回餌付けされ、厳寒期には氷を割って鳥たちが餌を取れるように大変な苦労をされ、今では数百羽が越冬するようになりました。 
また、上川の大部分は朝諏訪湖より飛来し夕方には帰って行きます。
氷が張ってしまうと、夜間は外敵から身を守る為、沖合いの釜穴をネグラにする事が多いようです。
八ヶ岳を背景に、朝・夕のシャッターチャンスは多くの写真愛好家を魅了します。特に朝は、着水前に頭上を旋回することが多く朝日を浴びて黄金色に輝いて飛ぶ白鳥は見事です。
 
※※ 安曇野・犀川ダム湖(白鳥湖) ※※
長野自動車道豊科インターを降りて直進すると、白鳥湖案内の看板があり、看板に従って容易に辿り着けます。
ここには毎年多くのコハクチョウが飛来し、餌付けの時間に合わせ川のアチコチから集まって来るので、昼間でもシャッターチャンスは非常に多い場所です。
 
※※ 明科町・御宝田遊水池 ※※
国道19号線を豊科町から明科町へ入り、塔ノ原信号を左折してすぐの小さな橋を渡る。大きな犀川橋の手前を左折し堤防を進むとすぐ右側。
余り大きくない池だが、毎年多くのコハクチョウが越冬し、その殆どは朝から穂高町狐島へ行き夕方まで帰ってこないので、昼間は数える程の白鳥しかいない。
朝日に輝く北アルプスに向かう朝の飛翔と、北アルプスをバックに夕方の飛来は見事です。
着水池は余り大きくないので飛ぶコースもほぼ一定し、着水寸前に頭上数メートルのところを風を切り音を立てて飛ぶスピードは思ったより速く迫力満点です。
 
※※ 穂高町・狐島の田んぼ ※※
大王わさび農場の前から大町市へ向かう途中、安曇橋南の信号を左折し、最初の四つ角を右折した道路沿いの田んぼの中。
何の変哲もない一枚だけ田んぼに水が張ってあり、沢山の白鳥が遊ぶ姿は実に異様な光景で、 白鳥の養殖場か?とも思えます。
大部分の白鳥は御宝田遊水池から飛来し、昼間をここで過します。
有明山や北アルプスをバックに、朝夕の柔らかな光を受けて美しく舞う姿は魅力的です。